公園の砂場で学んだ優しさ

私はよく散歩をします。
公園に立ち寄っては、木陰のベンチで本を読んだりして過ごします。

ある日のことです。
小学校に入る前くらいの男の子が、公園の砂場に駆けこんだ拍子に転んでしまいました。
大きな声で泣き出す男の子。
そこへ、少し年上に見える女の子が駆け寄ってきました。おそらくお姉ちゃんなのでしょう。

私は、彼女が弟を抱え起こすのかと思いました。
ところが、そうではありませんでした。
女の子はその子の真ん前で、まるで同じように倒れて見せたのです。
ちょうど顔が向き合うくらいの距離でした。
そして一言。
「ねっ、起きよ!」

男の子はやがて泣き止み、お姉ちゃんの手を握って、また元気に走り出していきました。

私はその光景に胸を打たれました。
子どもながらに、相手と同じ境遇、同じ目線に立って励ます姿。
なんと優しく、なんと強い行動でしょう。

私は福岡市でボート免許の教習を仕事にしています。
日々、つい不満や愚痴を言ったり、自分の都合を優先してしまうこともあります。
けれど、この子どもたちの姿を見て、そんな自分が少し恥ずかしくなりました。

これからは、優しさをもって仕事をしていきたい。
海を愛する人たちに、もっと感動を届けられるような講習をしていきたい。
公園の砂場で学んだ小さな「優しさ」は、私にとって大きな気づきとなりました。