ルールを守る

車が一台通れるほどの、ほんの短い横断歩道の手前。
車の行き来もなさそうだ。
しかし、信号は赤。

そこに制服姿の事務員さんが、きちんと信号待ちをしていた。
私もその隣に立つ。
信号が変わるまでのあいだ、少し話しかけてみた。

「制服を着ていると、近所の目もあるから信号無視できないですよね」

今思えば、不謹慎な問いかけだった。
しかし彼女は、にっこり笑ってこう言った。

「これもルールですから」

青になって、一緒に渡る。
彼女の会社は、あの「かんてんぱぱ・福岡店」だった。
伊那食品工業株式会社。
“年輪経営”という言葉で知られ、
「少しでも前年より大きくなりましょう」が合言葉の、
とても素晴らしい会社だ。

さすがです。まいりました。
そして、ごめんなさい。

前から興味があったショップだったので、
案内までしてもらい、感謝の気持ちでいっぱいになった。


私も福岡でボート免許の講師をしています。
講習では、常に「ルールを守る」ことの大切さを伝えています。
けれど、日常の小さな場面でも、
その意識を持ち続けることが何より大切だと、
あの日、改めて感じました。