老人室

ボート免許の学科講習は、定期的に福岡市ヨットハーバーで行っています。
提携している登録教習所の関係で、時には出張講習を行うこともあります。
ある施設での講習のこと。
廊下を隔てた向こうに、世にも不思議な(少し不気味な)表示がありました。
「老人室」。
どんな方が利用されるのだろう。
何をする部屋なのだろう。
だいたい想像はつくけれど、つい中を覗いてみたくなる。
でも、ちょっと怖い気もして、やめておきました。
2級の学科講習は2日間。
国家試験免除の講習ではありますが、最後に「理解度審査」という確認があります。
17時から始まり、70分ほどで終了。
冬が近づき、外はもう薄暗くなっていました。
片づけをしていると、例の「老人室」から音が聞こえてきます。
どうやら人が集まってきたようです。
廊下の向こう、ドアの隙間から一条の光。
畳の上に掛け軸が見えます。
それ以上は、覗く勇気が出ませんでした。
不思議な静けさと、どこか懐かしい空気。
講習の帰り道、その部屋のことがしばらく頭を離れませんでした。


