千石船(せんごくぶね)の話

小型船舶操縦士の講習をしています。
「小型船舶」とはどのくらいの大きさでしょうか?
もちろん、大型タンカーは操縦できません。

答えは――総トン数20トン未満の船舶です。

「トン」というと重さをイメージしますが、実は排水量(つまり体積)を表しています。
ざっくり言えば、囲われた部分の体積です。
アルキメデスの原理にも関係がありますね。

たとえば、体積でいう1立方メートル(縦1m×横1m×高さ1m)の水の重さは1トン。
つまり、その体積の船なら1トンまで水に浮かぶということです。

水と油を混ぜると油が浮きますよね。
同じ体積でも軽いほうが浮く――それが浮力の基本です。

講習でいつもお伝えしているのは、
定員を守りましょう」ということ。
船の安全は定員に直結します。
オーバーすれば転覆の危険もあります。


さて、話は昔に戻ります。

イギリスやフランスなどの商船は、かつてワインを運ぶことに関心がありました。
どれだけのワイン樽を積めるか――それを数えるために、樽を叩いて確認したそうです。
そのときの音が「トン、トン」。
ここから、重さの単位「トン(ton)」が生まれたとか。
(これは実話だそうです!)


一方、日本では関心があったのは「」。
米の単位は「石(こく)」です。

みなさん、「千石船(せんごくぶね)」という言葉を聞いたことがありますか?
おそらく「千」は“たくさん”という意味も含まれています。

1石は、人が1年間に食べるお米の量。
ですから、「百万石の殿様」といえば、
百万の民を養えるだけの領地を持っているということです(※諸説あり)。


1石=10斗=100升=1000合
そして1石=約150kg(2.5俵×60kg)

つまり1合は約150g。
炊くと倍の重さ、つまりごはん300gになります。

あぁ、だから行きつけのカレー屋さんの並盛600gがちょうどごはん2合分なんですね。
(今日はオチまでが長かった……)

では、また。